偽りの天使



直後だった。

バリバリと音を立てて漆黒の柱が謎の浮遊大陸より放たれたのだ。全機、既の所で躱したが続け様、ウルフェンを狙って先程と同じ漆黒の柱が連続して放たれる。

「チッ」

無線を通してウルフの舌打ち。

「このまま避け続けてもキリがねえ、応戦しろ!」

翼に片膝をついていたルーティは頷いて立ち上がる。

「来るぜ!」

びりっと少量の静電気が頬を駆けた。再び漆黒の柱が向かってくるのをルーティは浅く腰を落として上手く踏ん張りながら両手を突き出して構える。そして。


――解き放つ。


「っく」

ルーティの放った電撃は見事漆黒の柱に命中。その後もぎりぎりと押し合い、それこそ一瞬の油断も許されず。引けば押し出され空に真っ逆さまだ。

しかし不意に敵の攻撃は途切れた。察知してルーティは叫ぶ。

「皆、構えて!」 
 
 
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