偽りの天使



そ、そ、

「そんなこと言われてもおおぉお!」 


――君は飛べるよ。


はっと目を開く。

そうだ。誰もが口を揃えたあの言葉。もしかしたら……


ボクは飛べるかもしれない。


「くっ」

風に乗るんだ。

翼を広げて真下に広がる海と平行に。

「よし!」

体を捻って翼を広げ軽く羽ばたかせて動かすと思いの外上手くいった。後は。


……、後は?


「ねえあれって」
「ああ」

カービィは目を細めた。

「……落ちてるよね」
 
 
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