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偽りの天使
「ピット」
呼ぶが早いが迷いはなく。
「え」
ネロは。
突き落とした。
「うわあぁあああ!?」
少し先を飛行するファルコのアーウィンの翼に乗っかって談笑していたロイは空劈く叫び声に振り返った。ばたばたと暴れるマントを押し退け目を凝らして見れば、そこには落下していくパートナー、ピットの姿。
「ピット!」
どうしてこんなことに。
「ネロっお前なんてことを!」
声が聞こえる。
「――風に乗れ!」
えっ?
「飛ぶんだ、ピット!」
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