偽りの天使



屋敷の扉を押し開くと。

「いえーい!」

一人の男の手によってクラッカーが派手に音を鳴らした。

「ピット君大空任務初体験記念ー!」

前々から掴めない人だとは思っていたけど、この人は場を盛り上げたいのか空気を悪くしたいのかどっちなんだ。例え前者にしても適任しないにも程があるような。

「カービィ!」
「だって仲間なんだからお祝いしなきゃじゃーん?」

ふわりと空中で後転、続けて浮遊しながら後ろに手を回してカービィは笑う。

「それとも。何か失礼なこと言ったかなー?」

……多分後者だこの人。

「言っとくけどボクだって空を飛んで任務遂行したことくらいあるぞ!」

ロイは拳を握って。

「よし言ってやれピット!」
「パルテナ様のお陰だけど!」 

直後にロイが派手にずっこけたのは言うまでもない。
 
 
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