偽りの天使
「……ロイ」
ぽつりとカービィが呼んだ。
「あのさ」
口籠もる彼にロイが怪訝そうな視線を送る中、何処となく恥ずかしそうに。
「……約束。守ってくれてありがと」
人の運命なんて分かりゃしない。いつ、何処で死んじゃうかなんて。
だからさ。あんたはその手、離しちゃ駄目だよ――
「……当然」
ロイはにっと笑った。
「嘘つきはとっくの昔にやめたからな!」
応えず、顔を背けて先を飛んでいくカービィの横顔を通りすがり際にちらりと一瞬だけ横目に捉えて、メタナイトはふっと笑みをこぼす。
「何の話?」
「別に。俺とそいつの企業秘密」
「その企業、社員は募集中でありますか!」
「現在面接は受け付けておりません」
「……ちえっ。ケチ」