偽りの天使
レッドはモンスターボールをじっと見つめて、それから。
ぽんと宙に放り投げた。
「……う」
ボールが開き、吐き出された赤の光線が人の形を象ってネロの実体を解放する。
「ごめんよネロ」
「っは……こんくらい平気だ」
「もう少し頑張れる?」
「大丈夫」
言いたいことは分かってる。ネロは翼を羽ばたかせて飛行、ピット達の元へ。
「……?」
駆けつけたネロにカービィは振り返った。
「あんた大丈夫なの?」
「そりゃこっちの台詞だ」
カービィはふいと目を逸らして素直にピットを放る。
「っうわ」
「無茶しやがって」
向かいのネロが受け止める。
「ノーコメントで」
戦闘によるダメージはカービィの方が大きかったのだろう。確かにネロは戦況を保つべく回避と防御に専念していたが、一方でカービィは戦況を優位に返そうと積極的に攻撃を仕掛けていた。性格がよく表れている。