偽りの天使



ピットの腕を掴み、助けたのはカービィだった。

「すまない」

遅れて駆けつけたメタナイトが下から掬い上げるようにロイを肩に担いで。

「おわっ」
「相手は子供だというのに遅れをとるとは」
「……分かってるとは思うけど」
「今後とも警戒しよう」

ロイは小さく息を吐き出して。

「どうせ助けに来るんだったらもう少し早く」
「何か言ったかな……?」
「あばばばばごめんなさい! ごめんなさい!」 

言いながら、背中を反らし重心を後ろに傾けるのだからたまらない。必死にしがみついて叫ぶロイを目に、ピットは思わず笑って。

「よっと」
「わ、」

かと思えばカービィが手慣れた手付きでお姫様抱っこ。笑えない。

「……なに?」
「あはは」

宙ぶらりんよりは楽なんだろうけど。

「……ダークシャドウは?」
「あんた達が騒いでる間に帰っちゃったよ」

いつの間にか音が止んでいる。

「さっきのアレ、効いたみたいだね」
 
 
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