偽りの天使



伸ばしたその手が、友の手を掴んだ。

「おまたせ!」
「言ってる場合かよ!」

ピットのもう片方の手には、あの時ロイの鞘から抜いた剣が握られている。

「……決めるんだろ?」

目標正面。

「もちろん!」


ねえ、パルテナ様。

ボクはもう怖くありませんよ。


「いくよ、ロイ!」

互いの手を重ねて剣の柄を強く握る。

「任せとけ!」


だって、ボクには。


「いっけええぇえええ!」 


翼よりももっと大切なパートナーが居るから――
 
 
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