霧雨の視界
「……信じろ」
呆れたように眺めながら。意思の強さに憧れていた。
口癖。まだ子供だった自分にとっては、かけがえのないヒーローそのもので。
「私もリオンも」
強くなりたかった。守りたかった。
「死なせはしない!」
だから負けない。
今度こそ、望んだ未来を。
「はっ!」
腕を大きく振りかぶり、薙ぎ払う。
するとユウの背後に幾つかの紫色の魔法陣が浮かび上がって、その中心からそれぞれ光の玉が連続して放出された。――狙うはリオン。相手、構えて。
程なくして光の玉の群れが対象に突撃する。
「……やったか?」
「あんたいつだったか同じフラグ立ててたよね」
湧き上がる砂煙に咳き込んで、ロイ。続けてカービィが苦笑。
「まだだよ、ユウ!」