霧雨の視界
それは、とリムが小さく声を洩らすのをイーシスは見逃さなかった。
「あんたらがどう行動を取ろうが俺たちは評価しない」
決して責めるような口振りではなく。
「ただ、ひとつだけ」
悟っているのだ。
「――運命は変わらないんだよ」
現実を。
「諦めじゃない、受け入れるんだ」
……妙だな。
それが最善であるはずなんだ、なのに。
「決定された未来を」
なのに。
「受け入れられるわけ、ないじゃない」
ぎり、と奥歯を噛み締めた後で聞こえた彼女の声が、胸に刺さる。
「……仲間だから?」
そうじゃない。それだけじゃない。
「償い?」
イーシスは足を組んだ膝の上で頬杖をついた。
「……パートナーさん」