「なあ、一応は全員家から出てるんだし、いいんじゃない？」
「せっせやな。やったら次で決着や！」

ドンキーが合図を送ると、それまで見惚れていた女子副部長は語り始める。

『動物たちは泥棒に襲い掛かりました』

「成る程これは美味しい展開」
「ちゃうわ！」

ぱっと起き上がったリオンが構えたのを見て、他三人も一斉に駆け出す。

『ロバが蹴飛ばし、』

「とーう！」
「見え透いた攻撃だな」
「ちょ、足掴むのやめて！」

『犬が噛み付き、』

「ネロ殿……噛み付いていいですか」
「よくねえ」

『猫は引っ掻き、』

「え、昨日爪切ったんだけど」
「阿呆かぁぁ！」

『鶏は突っついて泥棒たちを攻撃』

残されたのは魔王。

「ち、ちょーん」
「倒せるかぁぁ！」


そんなこんなで演劇は無事、終了。

前回に続いて無茶苦茶ではあったが、やはり今回も好評で、その演劇の様子が収められたDVDは高く取り引きされてるのだとか。



end.