第二章
なんで。どうして。
僕の知らない間に"僕が"トーナメントに参加するってことになっているんだ──!?
「ルーティ!」
とぼとぼ歩いてバトルルームに足を踏み入れるや否や声を掛けてきたのはフォックスだった。何も知らず片手を軽く上げて挨拶する彼を邪険にする訳にもいかずルーティは苦笑混じりに手を振って返す。
「対戦よろしくな!」
顔面から床に飛び込みそうになった。
「フォックスが相手なの?」
「ああ!」
怪訝そうなルーティに対しフォックスは意気軒昂といったところで腕を回したり屈伸運動をしながら。
「お手柔らかに頼むよ!」
「ええっと、……」
ピチカも棄権すればいいって言っていたし。
「トーナメントのことなんだけど!」
「俺もルーティと当たりたかったぜ」
うわっ、と声を漏らしたのは不意打ちでソニックが後ろから肩を組んできたからである。その発言の意図が気になったルーティはそこで初めてバトルルームの中でも一際目立つモニター画面を見上げた。表示されていたのはもちろんトーナメント表。確かに自分はこのトーナメントの一回戦目をフォックスと共に飾る手筈となっていて、肝心のソニックはというとそもそもブロックすら違う上に自分とは真逆の最終戦をなんとあの世界的スターと名高いマリオと飾る手筈になっていたようで。
「おいおい」
心の中で噂をしている間に本人登場。
「スポーツで汗を流した仲だろ?」
「That's irrelevant!」
「チリドッグは二日も三日も続けて食う癖にな」
マリオはやれやれと肩を竦める。
「頑張れよ。ルーティ」
ソニックが離れたタイミングでネロが肩を叩いた。
「俺たちは別ブロックだからな」
「このトーナメントが盛り上がるも盛り上がらないも初戦次第だもの。大いに期待させていただくわ」
悪気があるのやらないのやら──彼女の悪戯な性格を鑑みるに圧倒的前者な気がしてならない。小さく笑ってハードルの底上げをするシフォンの後ろから今度はローナがひょいと顔を覗かせたかと思うと。
「僕たちは別ブロックだからねえ!」
満面の笑顔で。
「決勝で待っているぞ! にゃははっ!」
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