第二章
バトルルームとは。疑似体験型のバトルシステムが搭載された特殊な部屋である。
広々としたこの部屋の入って向かって左側には技術経験者も安易には触れられないらしい様々な機械が設けられており、その右隣の床には円形のパネルが四つ設置されている。一見して難しそうに見えるが遊び方はとっても簡単でまずは左側の機械を操作して対戦上のルールやステージを設定し、パネルが青い光を灯したら準備完了。後はパネルの上に乗るだけで設定したステージへ自動的にワープ、ルールに従って対戦を行うことが出来るという優れ物。
パネルの先はバーチャルの世界。そこで負った傷も対戦が終了すれば自動的に回復するというのだから驚きだ。まさに近未来型超高性能システムと言っても過言ではない──のだがこれを手掛けた技術者は不明なのだという残念な話。そもそも論、この屋敷だって当たり前のように提供されているけど政府が用意したものではないなんて聞くし。
いいのかな?
こうも至れり尽くせりで。……
「レディースっ、エーンっジェントルメェーン!」
マイクを片手に拳を振り上げたのはローナ。
「今日ここに勇士の君たちに集まってもらったのは他でもなぁあーい!」
うーん。ノリノリである。
「全員集まっているのかしら」
「ひぃふぅみ……」
「共に野を越え山を越え谷を越える仲間たちよ! 未来を切り開く先導者の誕生を刮目せよ!」
シフォンとネロはなんでこんなに冷静なんだ。
「あだっ!」
いい加減に制裁が下された。
「……という訳でX部隊のリーダーを決めてなかったみたいだからこのバトルシステムを使ったトーナメントで決めることになったみたいだよ」
脳天手刀を下したレッドは苦笑気味にマイクを取り上げて説明する。最初から彼で良かったのでは?
「あーいや。人数合わねえな」
「いいんじゃないかしら」
頭の後ろを掻くネロの横でシフォンが続ける。
「呼び掛けて回ったにも関わらず出てこないということはそういうことなのだから」
まあ……リーダーだ何だって話に興味のない人は少なからず出てくるよね。向き不向きもあるだろうけど何より参加は強制じゃないってピーチもしつこいくらいに繰り返していたし(メガホンを片手に)。
「トーナメントってどのくらい時間かかるの?」
ピチカが訊ねた。
「そうねぇ。この人数だから……」
「あら。全員参加とは言ってないじゃない」
答えようとしたリムをピーチが遮る。
「時間は掛けたくないもの」
腰に手を当てながら。
「組んでいるパートナーの内一人が代表としてこのトーナメントに参加してもらうわよ!」