第二章
食堂といえばどんな間取りを思い浮かべるだろう。決して狭いものではないので安心してほしい。
広々とした空間には食事用の丸テーブルと椅子がバランス良く点在し、扉から入って正面左奥には食堂の主役たるカフェ風のキッチンが設けられている。カウンターで簡単に囲われたその奥には巨大な冷蔵庫や食器棚が置いてあり、この一部分だけで全員の食事を賄おうというのだから驚きだ。
更に驚きなのがコックが雇われている訳でもなければ調理ロボットが設置されている訳でもなく食事は各自で用意しなければならないということ。これに関しては料理を元々得意としているリンクを筆頭に料理する役を引き受けてくれるメンバーがいてくれて助かった。そうでなければ料理に疎い自分のことだ毎食インスタントラーメンになっていた可能性が拭い去れないのだから恐ろしい。……
「世間は食いしん坊のことをとやかく言うけどさ」
出来上がった朝食を前に丸テーブルを三人で囲ってのんびり頂いていた矢先。
「食べなくても満たされるコツがあるんだよ」
不意にカービィが語り始める。
「何だと思う?」
「えっ」
ルーティとピットは思わず顔を見合わせた。
「水をたくさん飲むとか」
「断食とか?」
各々の回答にカービィはにんまり。
「お子ちゃまにはまだ早かったかもねぇ」
しかも答えない流れだ。
「ヒントっ!」
ピットが意地になって身を乗り出すも。
「ゼルダぁーご飯おかわり!」
「自分で取りに来てくださいっ!」
空っぽになった茶碗を元気よく掲げるカービィに姿は見えないままキッチンから声だけが返ってきて。本人も唇を尖らせながら「はいはい」と席を立つのだから、これはもう答えを望めないどころか戻ってきたら話題すら変わってそうな雰囲気。
「ちえっ」
ピットは諦めて座り直す。
「……ルーティは何だと思う?」
「ええっ」
諦めてなかった。
「うーん」
ルーティは箸を止めて腕を組みながら。
「心を満たす……とか?」
沈黙。
「カービィがそんなお洒落なこと考えると思う?」
的を射た突っ込みに。
「……違うかも」
「ボクが思うにこれは謎かけで」
「うわまだ話してる」
「同情するならヒントを出せえっ!」
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