第二章



「朝ご飯、何にする?」
「そーだなー」

朝食を摂るべくエックス邸の中に入って食堂を目指して並んで歩きながらルーティは二人のやり取りを何とはなしに眺めていた。

「やっぱ無難に焼肉定食かなぁ」
「ええ……それって無難なの?」
「無難っしょ」
「朝から焼肉かぁ。胃がもたれるなあ」

ピットは苦い表情を浮かべながら呟いた後で。

「……何歳?」
「んふふ」

聞くや否やカービィは意味深に笑み。

「ひ、み、つ」


特殊防衛部隊X部隊に入隊して早一週間。謎の敵対勢力に仕掛けられた不穏な出だしからは想像も付かない平穏な日々にやや拍子抜け。もちろん平和に越したことはないけれど気を張ってみたところで日中は暖かな陽気にあてられて無防備に欠伸を漏らし、うたた寝を決め込んでしまうのが悲しいかな日常となりつつある。こんなことで良いわけがないので少しでも身を引き締める為にウルフの稽古に臨んではいるもののそれはそれで。

かといって背中を丸めて膝を抱えて落ち込むばかりでもない。さっきのようにやるべきことを投げ出してまで励ましてくれる仲間だっている(彼の場合はサボりたかっただけかもしれないが)。皆が皆そうだというわけではないがここに居るのは様々な苦難を乗り越えてきた戦士ばかりだ。故にどんな冷たい言葉を浴びせられるものか構えていたが存外そうでもないのが実情。思っていたよりもフレンドリーで早い段階で親密になれたのは言うまでもなく。


……母さん。僕、何とかやっていけそうだよ。

パートナーはちょっと問題だけどね。


「ゼルダぁー」

食堂の扉を開けてすぐカービィは大声で注文した。

「焼き魚定食おねがーい」
「え? 焼肉定食はやめたの?」

ピットがきょとんと目を丸くしていると。

「何言ってんの?」

衝撃の発言。

「どっちも食べるに決まってんじゃん」
「、え?」
「そういうわけだから焼肉定食もよろしくぅ!」

これには流石のルーティも引き笑い。

「き、強靭な胃袋……だね」
「ブラックホールじゃないんだから」

あの細い体の何処に収まっているのだろう。……
 
 
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