第二章
特殊防衛部隊『X部隊』──各地で活躍し名を残した有数の戦士ばかりが所属するのだと聞いて身構えたが蓋を開けてみれば思っていた以上に友好的で、案外すぐに打ち解けることができた……が。今度は公式にX部隊として登録された数と今ここに居る人数が一致しないらしく、不穏な空気をちらつかせているというのが現在の状況。
これがどうもあの時飛行機に乗り遅れた訳でもなければ敵の襲撃に恐れをなしてそっと抜け出した訳でもないようで──マリオやリンクが何か知っているみたいだったけど詳細は教えてもらえなかった。
気にならないと言えば嘘になるけど。
早く、解決するといいなぁ。……
「うわっ!?」
足払いを頂いて尻餅。今度も追撃はなく黙って見下すウルフを前に不甲斐なさを感じながら体を起こして立ち上がる。砂や土を払うのに時間を割くくらいだったら攻撃を打ち込みたい。タイミングを図っている間に早く来いとばかりに顎で軽くしゃくられてしまえば瞬間バネのように飛び出した。
「……はああっ!」
あの日。ダークシャドウに命令を下していた人物の正体についても分かった。
創造神マスターハンドと破壊神クレイジーハンド。──肩書きは飾りなどでは決してなく実際にこの世界の創世に関わった原初の神様だと言うのだ。それを知った時、流石に何かの冗談だろうと苦笑いを浮かべたが説明するフォックスが少しも顰めた表情を崩さないのを見て血の気が引いたのを覚えている。
彼らは双子で隻眼隻腕の不気味な見た目をしているらしい。実際の写真や映像は当然あるはずもなく想像に留める他ないが兄のマスターが青色の髪で弟のクレイジーが赤色の髪をしているのだとか。その他にも十数年前に大きな事件を起こしているだとかその時に戦った特殊防衛部隊に追い詰められた彼らはこの今名前を聞く時まで行方を眩ませていただとか──詳しいんだねと思わず口を挟んだら二言三言で話を纏められて退散されてしまった。
何か余計なこと言ったかな?……とにかく。
過去に事件を起こした彼らの名前が出てきた以上、これから先この世界を揺るがす何か大きな動きがないとも言い切れない。そもそも、初日に彼らからの差し金で襲撃を頂いておいて警戒しないはずも──
マスターハンドとクレイジーハンド、か。
どんな姿をしてるんだろう。
やっぱり……第二形態とかあって最終的には巨大なドラゴンに変身したりするのかなぁ……
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