第二章
◆第二章『それぞれの想い』
「はあっ、はあっ」
息を上げながら攻撃を躱しては打ち込む。
「ッ、」
往なされた次の瞬間には思わぬ方向から蹴りが飛んできて反応が遅れてしまう。咄嗟に"教えてもらった"構えで防御するも上手く流せずに瞬く間に体勢が崩された。そこで追撃を頂かなかったのは無論、これが稽古であるが故の慈悲だろう。
「ガードが緩い! ぼさっとするんじゃねえ!」
あれから一週間が経過して。
僕は毎日のようにウルフに稽古されている。
「、はいっ!」
故郷のメヌエルでは小柄な体格を生かして攻撃を回避し素早く駆け回って撹乱させながら、細かなダメージを蓄積させていって勝利をもぎ取る戦法が通用していた。けど──戦士としてこれからもっと沢山の敵を相手するにあたって一つの戦法だけでは通らないだろうと。戦場に身を置くなら選択肢を増やせとのことで現在のような状況に至る。
「っう、く……!」
とはいえ。
少しでも隙を見せれば攻撃を打ち込まれるしガードしたところで崩される。距離を取ろうとしても、そんなことはお見通しだとばかりに詰められるしがむしゃらに見舞おうとしても往なされるだけ。
チートじゃん!
稽古以前の問題なんだけど──!?
「どうした!」
正面からの攻撃を容易く往なしながら。
「その程度の実力で戦士を名乗れると思うな!」
切り返しの横蹴りを腕を交差して構えて受けたがそのまま押し切られ崩された。結果としてふらふらと後退した後尻餅を付いたが両目に宿した闘志の灯は途絶えない。ウルフは数歩進み出た上で口を開く。
「……諦めるか?」
わざとだ。分かっていて聞いているんだ。
「……ううん」
だからといって嘗めているつもりも。なら僕だってパートナーの期待に応えないわけにはいかない!
「──まだまだッ!」