第一章
僕たちは──X部隊だ。
天空大都市レイアーゼを守る為"だけ"に結成された至極特別で有数の戦士だけが集められた組織。この世界の何処を探して回ったって僕たちの代わりは居ないのだと思う。誰にも代わりが務まらないからこそ、どんな戦いにも必ず生きて帰ってこなければならないという見えない重圧や負担が早い段階から課せられているように感じる。
重要な使命を与えられた正義の戦士に自分が選ばれたことを誇りに思わないはずもない──という感性を自分だけじゃなくてきっと周りもそうなのだと無意識に押し付けていた。笑顔で取り繕いながら胸を押し潰されそうになっているのかもしれない。自分しかいない、後はないのだと口下手や寡黙を装いながらも心の内側で自身を追い詰めて塞ぎ込んでしまっているのかもしれない──先を行くウルフの背中を直ぐには追いかける気になれないままぼんやりと周囲の心情を思う。ルーティは固く拳を握った。
「!」
ウルフは目を丸くする。
「……な」
意気消沈させたと思っていた相手が追い付いてきたと同時に手を握ってきたのである。
「不本意だったとしても」
振り払われてしまわないようにルーティは手を握る力を込めながら。
「仲間は仲間でしょ!」
目を開く。
「僕は"勝手に"仲良くするからね!」
むすっとした顔で。返す隙すら与えず言い切っても尚手を離さない様子があまりにもちぐはぐで。
「、……」
ウルフは浅く息を吐き出す。
「……子守りをしてる気分だな」
「む。僕、子どもじゃないよ!」
「子どもだろ」
「十六歳だもん!」
「子どもじゃねーか」
都心から離れて数十分。住宅街を過ぎた
今日から、戦士として此処に住むんだ──!
「変わってねぇな」
「、ファルコ」
……?
「来たことあるの?」
小走りになってその背中に追い付いた後に横からひょいと覗き込んでルーティが訊ねると大袈裟に肩を跳ねたフォックスは振り返って見るなり苦笑い。
「あ、あはは……! 依頼の、一環で……!」