第一章
いやでもだって仕方ないじゃんピカチュウの種族は身長に関しては二十歳を超えてからが本番だなんて言われてるんだから! メヌエルは年中
何なの!? このヘンな犬のお兄さんは──!?
「ルーティ!」
声を上げたフォックスを振り返ると銃を構えているのが見えた。それよりも早く真後ろの青年の体が反応を示すのを相手が触れている関係で直に感じて。え? と思ったのも束の間──発砲音。
確かに、このお兄さんが何者なのか分からないけどいくら何でも流石にこうも迷わず撃つのは、
「……!」
放たれた銃弾は。
表面に青い光を灯して空中で制止する。
「騒々しい」
振り向いて見つめていたユウの双眸が金から元の紫に落ち着くと銃弾は浮力を失って地面に転がった。冷や汗を垂れるルーティの後ろで青年は小さく笑みを零したかと思うとぱっと手を離す。
「いや驚いた! 流石の反射神経だな!」
……反射神経って。
この人。銃を撃たれるよりも先に動いてなかった?
「私の名前はリオン・ヴィオレスタ!」
もしかして。
「ポケモンの種族はルカリオ!」
構える前から"撃たれる"って分かってたんじゃ、
「ユウの伴侶だ!」
ん?
「パートナーだ」
即座に否定して足蹴からの踏み付け攻撃。
「貴様メヌエルを発つ前に余計な口は慎めと」
「ああっ! ありがとうございます! 公開プレイですね分かります!」
「勘違いするな今すぐこの空から突き落として強制送還してやってもいいんだぞ」
「冷たく蔑みゴミを見るような目! まさしくパーフェクト! もっと踏んでくださいいいっ!」
何を見せられてるんですか?
「……見ちゃ駄目よピチカ」
「パートナーがリムで本当によかったかも……」
自らをリオンを名乗ったこの青年はX部隊のメンバー兼まさかのユウのパートナーであるらしく。青色のショートヘアに両目を覆い隠すように黒の鉢巻きを巻いているのが特徴的で立っている時は恐らく百八十あるかないかくらいの身長と見て取れたが──恵まれた容姿の割に性格が、何というか。
「……コホン!」
フォックスは咳払い。
「ユウ。とりあえず彼はその……世間の認識や人望に関わるから指導しておいてやってくれ」
申し出に対しユウは「愚問だ」と二つ返事。これが一体何の時間だったのかは解明したくもない謎だがお陰様で緊張した空気が解れたような気はする。
「他に何かあるか?」