第一章
フォックスの指示でメンバー達は滑走路から離れて空港ビルの影に集まった。しかしながら有数の戦士たちがこうして並ぶ図は見るからに圧巻であり待合室の窓から覗く人もちらほら──気持ちは分かる、とルーティは静かに頷いて心の中で同意。
「皆、揃ってるか?」
ひとまずの指揮を取るつもりで前に出たフォックスは一人集団と向き合う形で口を開く。
「まず初めに、俺はフォックス・マクラウド。共に戦うことになる皆の仲間だ」
「偽物じゃないよねぇ」
まさかの野次にルーティはどきりとした。
「そうだな」
フォックスは物怖じせず、
「今そこで日光浴してみせようか」
親指で日向を指し示せば納得は得られたようで。
「……今話に出たように今回俺たちは空の上で自分たちそれぞれの姿形を模した敵──つまり偽者から奇襲を受ける形となった」
切り取られた場面が脳裏にぱっぱと浮かぶ。
「俺とファルコとウルフは空で対処にあたっていたから中の様子が分からない。誰か説明出来るか?」
フォックスが訊くと青年が手を挙げた。
「……機内にいた俺たちは突然酷い眠気に襲われた後夢の中──いえ、謎の空間の中で恐らくは全員がそれぞれの偽物と対峙しました。攻撃を仕掛けられたので対応はしましたが受けた傷は──大きく反映されませんでしたね」
この緑の装いが特徴的な青年の名前はリンク。先程ルーティが思わず声をあげてはしゃいだその相手。金髪碧眼美男子である上にこれが魔王を打ち倒した勇者だなんて天は二物も三物も与えすぎである。
それにしても彼、腕を気にしている様子だがまさかその謎の空間の中で腕を斬り落とされたとか?……いやいやそれは流石にまさか。うん。
「はーい」
続けて手を挙げたのは先程野次を飛ばした少年。
「あいつら体が影虫で出来てるんだってさ。僕たちにちょっかいかける理由の一つがいずれ殺して成り代わる為らしいけど──あいつら陽の光には弱いみたいだし場所とか時間とか天候とか考えとけば案外余裕で対処できる相手じゃない?」
桃色の髪が特徴的な中性顔のこの少年の名前はカービィ。彼もまた遠い星の危機を幾度となく救ってきた戦士なのだとか──注がれる視線に気付いたのかカービィは振り返って目が合うと手を振ってきた。愛想は良さそうだけどさっきの今だからなぁ……
「ありがとう」
フォックスは目を配りながら。
「他に何かあるか?」