第一章
──天空大都市レイアーゼ。
数ある都市の中で最も文化が発展している地でありこの星の拠点とも言われている。天空大都市なんて名を冠するからには様々な想像をされることだろうが特殊な機械に乗せられて飛んでいるのではなく、島が掘り起こされて宙に浮いているような形を思い浮かべてもらえればほぼそれに等しい。
山はある。川だって。兎角この国一つで世界が完成されているなんて言ってももはや過言ではない。そもそもレイアーゼという地名の起源が王とか魂とかエトセトラ。百の知識を持って千の歴史を管理するとまで言わしめる未来都市。
それを守る為"だけ"に結成されたのが。
僕たち──特殊防衛部隊『X部隊』。
「!」
ウルフェンがエアポートに降り立って間もなく青の小型戦闘機と飛行機も到着した。早々にタラップが取り付けられてメンバーがぞろぞろ降りてくる中、何やら落ち着かない様子だったルーティはコックピットを開いて中から出てきたウルフに気付くとすかさずその後ろに避難。背中にぴったりと張り付く。
「おい。何してやがる」
「だって怒られるかもしれないし」
「怒られるようなことするからだろ」
遅刻とか無茶とか。
「あ」
とはいえ。
「影の薄い人だ!」
相手は各地の有数の戦士たち。
「見て! あっちはバナナが大好きな人! 待って待って大王様もいるよ!?」
有名人の連続にテンションが上がらないはずも。
「どどどどうしよう、あの人魔王を倒した勇者だよサインとか貰った方がいいかなぁ! ねえっ!?」
ルーティはウルフの服の裾を掴んで揺する。
「これから一緒に過ごす相手のサインなんざ貰って何になるんだ。転売でもすんのか」
「そ、そんなことしないよ! 写真撮ってSNSで自慢するくらいはするかもしれないけど……!」
ウルフはじっとりと横目で睨んだ後。
「やめとけ。不必要な他者煽りは余計な足が付く」
「拠点の場所は公式で公開されてるよ?」
「……テメェは長生きしねぇな」
「どういう意味さぁっ!」