第一章



──どうしよう。どうすればいい?

どうすればこの危機的状況を塗り替えられる? 仮面の少年が放つ漆黒の稲妻を、電撃を放って相殺することで対処しながらルーティは思考した。自分を乗せている以上はウルフも追尾してくる敵の後ろに上手く回り込めないし、フォックス達を助けようにもこうして後ろを取られている以上は攻撃の対処で手一杯だ。ひたすらに速度を上げてレイアーゼの領空に入り無線で応援要請を出すという手も考えたけど明らかに何か異変が起こってる飛行機から大きく離れるなんて万が一を考えたら恐ろしすぎる。

「フォックス!」

そうこう考えている間に無線を通じて不穏な声が聞こえてきたのでルーティが状況把握の為に振り返ってみると、どうやら敵のレーザーによってフォックスの乗る青の小型戦闘機の右翼が半壊したようだった。あれでも辛うじて飛行機能は保っているらしく墜落にまでは至っていないようだが。

「勝手に前に出るな!」
「仕方ないだろ!」

大方パートナーと思しき男が敵に追われるのを見過ごせなかったのだろう。小競り合いが聞こえる内はまだ余裕があると捉えるべきか。それでも次に同じ攻撃を食らえばひと溜まりもないことだろう。

「へぇー仲良しじゃん」
「俺たちも混ぜてくださいよ」
「誰が!」


どうすれば。


「鼠!」

敵の攻撃を察知して咄嗟に電撃を放つ。

「余所見をするな!」

間一髪相殺には成功したものの。

「テメェは後ろに集中しろ!」


大変っスねぇ。守るモノお荷物が多いとさァ──


「……!」

それはさながら電流のように一つの解が閃いた時好機とばかりにウルフェンの真下をフォックスの操縦する青の小型戦闘機が潜り抜けた。続けざま彼に対応する影の操縦するそれが向かってくるのが見えるとルーティはコックピットの硝子に触れながら。

「……ウルフ」

静かな口調で告げる。

「僕が飛び降りたら宙返りで敵の背後を取って」

ウルフはハッと目を開いて振り返った。しかし連続してレーザーを撃ち込まれ、操縦に集中せざるを得ない状況下で止める隙などあるはずもなく──

「ルーティ!」
 
 
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