第一章



──ダークシャドウ?

「不気味な見た目しやがって」

X部隊専用輸送機、基飛行機内部。謎の力によって眠らされたX部隊メンバー達は皆揃って不可思議な夢を見ていた。それは見渡す限りの宵闇の空間の中自分と同じ姿形をした『ダークシャドウ』を名乗る存在と対峙するというもの。

「こんなに似ていて……すみません……」

剣を抜く赤髪の剣士の男に対応する影は本人と似ても似つかぬ仕草と振る舞いで小さく呟く。褐色の肌に暗い髪の色、双眸の紅と違いは見受けられるが何より違うのは本人と真逆の性質か。

「どうやってその姿を?」
「影虫だよ……」

場面は変わって青髪の剣士の男の質問に対応する影が恍惚とした表情を浮かべて自身を抱くように肩と腰に手を回しながら答える。

「僕たちのカラダは、影虫で出来てるんだぁ……」


つまり?


「光には弱いってワケだ?」

再び場面は変わって桃色の髪の少年が訊ねれば対応する影は不気味に口角を持ち上げながら。

「そうだねぇ……でも今みたいに暗い影の中でなら僕たちは絶対に負けないよぉ?」


目的は?


「俺たちは表の世界では生きられない」

場面が変わり、赤帽の男に対応する影が答える。

「だがテメェらを殺して体を乗っ取り成り代わる形でなら生きることが出来る!」

またも場面は変わって緑帽の男に対応する影がそう言った後で高らかに声を上げて笑った。

「おおっと、安心しなァ? 今日はテメェらのその腑抜けた面を拝みにきたってだけだ」


この事件を企てた首謀者は。


「十四年前」

場面は変わって緑の装いの青年は対応する影のひと言にビクッと大袈裟に体を震わせた。

「忘れちゃいねえよなァ?」
「……想像はしていましたが」

影は喉を鳴らして笑う。

「俺たちダークシャドウは奴らの手駒だ」

緑の装いの青年は剣を抜いて構える。

「安心しろよ? 俺たちゃお前らに手ェ出すなって仰せつかってるンだ」

けれどその言葉とは裏腹に影はゆっくりと背中に背負った鞘から剣を抜きながら。

「けどよォ」

舌なめずりをしたが刹那姿を掻き消して。息つく間もなく緑の装いの青年の目前に現れると振り翳した剣を問答無用で振り下ろしながら。

「少しくらい──四肢を切断するくらいならイイよなァ!?」
 
 
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