黒炎の絆
応援が駆け付けてきたと見るや否や首謀者の男は何かの命令を下すかのように片手を挙げた。すると木陰から茂みから死体と思しき人間がぞろぞろと──その数、二十体前後。軽い身振り手振りでこれならまだまだ集まってくる可能性すらある。その上で最大の障害となり得るのが暴走メガシンカ状態にあるユウ、リオン、ミカゲの三人の存在。スピカ含むダークシャドウ四人が足止めするべく数十分応戦した様子だが紛うことなく無傷。暴走メガシンカして暫く経つだろうに(顔に出るはずもないが)疲弊している様子もない。前述の通りモンスターボールで鎮められるものと安易に考えない方がいいだろう。……
「僕たちは特殊防衛部隊X部隊!」
「並びに! 第四正義部隊フォーエス部隊ッ!」
ルーティとルルトが口々に声を上げる。
「どうしてこんなことをするんだ!」
これは──時間稼ぎだ。
「如何なる理由であれ容赦はしないのだわッ!」
彼らの意図を素早く汲み取ってレッドは思案に集中する。考えろ! 考えろ! 俺だって荷物になる為だけにここまでやってきたんじゃない!
「人の皮を被った愚かな魔獣どもめ」
男は初めて口を開いた。
「私の計画に狂いはなかったのだ」
苛立ちを含んだその様子にルーティとルルトは肩を並べて肌の表面に青の閃光を走らせる。
「冴えない研究所から持ち出したメガシンカエネルギーを使ってお前たち魔獣を意図的に暴走メガシンカさせ、人間どもが
ああ。この人は。
「今この瞬間まで! 私の計画に狂いはなかったというのに!」
本当に。
許してはいけない人だ──
「かつて私を馬鹿にした研究者どもはエネルギーの足しにさせてもらった。正義だか何だか知らないが計画を撤回するつもりはない」
死体と思しき人間の群れが迫ってくる。
「いけねェなァ……いけねェよ。ンな下らねェ目的の為だけにポケモンだけじゃなく同胞まで手に掛けちまうたァ……」
ラッシュは顔を歪めて。
「例え神様かがやきさまお天道様が許しても! 俺たち
焔を滾らせる。
「戯言を」
男が指を鳴らせば死体と思しき人間の群れの内数体が手持ち大砲のような形状の銃器を腰に添える形で両手で提げ装填を始めた。砲口の奥には赤紫色の光が仄かに灯り、最悪の事態を連想させる。
「あれに当たっちゃ駄目だ!」
ルーティは声を上げた。
「避けて!」