ハチャメチャ!辛口お見合い審査員!?
……次に入ってきたのは。
「チョリーッス!」
ド金髪日焼けギャル男。
「生命力に溢れた方ですね」
「言いたいことはそれだけか……?」
「ゆ、ユウ」
「まだ何も話してないわよ!」
「なんでこれでイケると思ったんや」
二言目が許されるはずもなく。
「自分みたいな平々凡々で根暗で不細工で出来損ないで場違いな男がお嬢様と結婚なんて烏滸がましいですよね……敷居を跨いですみません……」
超絶ネガティブ。
「そ、そんなことないわよ!」
「そうだぞ! 人は見かけによらないのだから!」
「そんなことある。帰れ」
「明日の電車が止まったらどうするんや」
「今日かもしれませんよ」
ネガティブすぎるのはちょっと。
「シアチャンと結婚できるかもしれないなんてボクドキドキしちゃうナ! 二人の愛の結晶が来年には拝めるカモ? ナンチャッテ!」
テンプレ構文おじさん。
「いやぁぁぁ……!」
「えらい拒否反応出よるやん」
「実物は初めて見ました」
「端末に登録された絵文字が視えるようだ……」
「ここは珍獣閲覧会か?」
最低限、見た目は選びたい。
「結婚は無理? それって貴方の感想ですよね?」
論破系男子。
「なんかそういうデータとかあるんですか?」
「アカン苛々してきた」
「構わん。やれ」
「こういう人の心の中ってどうなってるんです?」
「驚くほど賢い代わりに馬鹿だな」
「紙一重なのね」
……。
………………。
「分かってはいたけど」
無理すぎる。
「どうして! クセが強い人ばっかりなのよ!」
「アレで世の中の経済回しとるんやろ?」
「世も末ですね」
「うぅむ……物の見事に下心しか視えないな……」
リオンが言うということは相当である。
「くだらん。だから無駄だと言ったんだ」
「そんなことゆうとったか?」
「来る前の話だがな」
息切れを起こしたところで。
婚約志望者は次から次へとやって来るのだ。
「……シアちゃん」
リムは襖を眉尻を下げて見つめながら。
「暇してないかしら……」