ハチャメチャ!辛口お見合い審査員!?
……というわけで。
お見合い候補の相手が彼女に相応しいか否か判定を下すべく審査員をすることになりました。
「よろしくお願いいたしますね」
柔らかく微笑するシアの手によって襖が静かに閉じられれば案内された一室を見回した。広々とした和室は紛うことなく応接間であるらしく座卓と座布団が置かれている。しかしながら一人ずつ訪れるであろう相手に対して五人(しかも特殊防衛部隊の戦士)で審査するとは圧迫面接もいいところだが……
「顔だけで選んだらアカンで?」
「む。……そっちこそ。お金があればいいってわけじゃないんだからね?」
早々に意見が割れそうな予感。
「バランスよく判断しなくてはいけませんね」
「従兄妹殿からの要望は?」
最もな意見を述べるリンクの横でリオンが訊くと。
「知らん。恋もしたことないだろうからな」
幼い頃から教育の方針で例えば御伽話にすら想いを馳せたことなどないのだろう。
何が恋で何が愛かも判別できないまま。
一族の仕来りで。……
「最低……」
「何故そうなる」
「あんたに放浪癖があるからでしょ!」
「貴様は人の事情も知らずにっ」
先行きが不安すぎる。
「ゆ、ユウ、リム殿も」
「まあまあ落ち着いてください」
「ほんまに大丈夫なんか?」
そうこうしている間にその時は訪れたようで。
「お願い致します」
先程シアが消えていった部屋とは真逆の部屋から襖を挟んで女性の声が聞こえてくると五人は顔を見合わせた後で用意された座布団の上に座した。程なくして襖は従者と思しき女性の手によって開かれれば黒い影が足を進めてくる。
「いやぁ、道に迷ってしまったゴロよ」
この特徴的な口調は。
「よろしくお願いするゴロ!」
ご、……ゴロン族ぅぅう!?