ハチャメチャ!辛口お見合い審査員!?
……数秒後。
驚愕の声が上がったのは言うまでもなく。
「言っただろう」
ユウは鼻を鳴らして腕を組み座り直しながら。
「ブランの家系は二十歳までに婚儀を済ませるのが仕来りだと」
「だからってまさかお見合いするの!?」
身を乗り出す勢いのリムに。
「こいつには特別想いを寄せる相手も居ないんだ。仕方ないだろう」
「はい。おにいさまが家を出られてしまったおかげで私はブランの仕事を全うするべく外出を禁じられ他の者との交流も限られてきました」
思わぬ皮肉にユウは弾かれる勢いで顔を背けた。成る程だから責任を感じて嫌々ながらも今日この日の為に実家まで足を運んだわけか……
「伴侶の責任は私の責任だ」
「おい」
「我々は何をすればいい?」
ピシッと背筋を伸ばして座り直すリオンに続けてユウを除く他三人も座り直して言葉を待つ。ただ婚儀に招かれたものとも思っていなかったがそういうことなら同期として或いは幼馴染みとして協力しないわけにはいかない。シアは微笑する。
「……これからお父さまが提示された条件を達成された殿方が順々に来られます。皆さまにはその殿方が私と婚姻を結ぶに値するお相手なのか、見極めていただきたいのです」
詰まる所。
自分たちは関門基審査員ということか。
「面白そうですね」
「楽しむことちゃうやろ」
「任された──」
三人が口々に言う中でリムは勢いよく立ち上がる。
「変な男なんかにシアちゃんは渡さないわ!」
握った拳を天高く突き上げて。
「皆! 円満な結婚の為に気合い入れていくわよ!」
「うむ!」
「なんや知らんけど気張ってこぉか!」
「ユウは反省してくださいね?」
「、……」