ねこねこパニック!?



ふと。ペン回しをしながら話を聞いていたジョーカーが誤ってそのペンを落とした。手元を離れて机の上でワンバウンド、伸ばした手を躱してそのまま。


ドンガラガッシャーンッ!


物凄い音が響いたのも無理もない。恐らくは動くものに反応する猫の狩猟本能を掻き立てられたのだろう転がり落ちたペンを捕まえるべく隊員数名が飛び込み、次の瞬間には積み重なっていたのだから。

「大丈夫ですか!?」

しずえが声を上げて駆け寄るが。

「ぅにゃんっ!?」

尻尾を掴まれて転倒。

「興味にゃい……にゃいはずにゃんだが……」
「体が勝手に動いちゃうよー!」


にゃあにゃあと。

正義の戦士にあるまじき可愛らしい阿鼻叫喚。


「み、みんにゃ落ち着いてくれ!」

マークは加わりたい気持ちをぐっと堪えながら声を上げるが不意に肩を叩かれて。

「シュルク!?」

そこには名前を呼んだその本人の姿。

「さっき見てたけど……ルフレとだけにゃんて狡いよ……僕もマークと毛繕いしたいのに……」


様子がおかしい。


「落ち着いてくれ、シュルク!」
「僕は落ち着いているよ……」
「それはそれでまずいよ!」

机のずれる音、椅子の倒れる音。緊急対策会議だと宣っておきながら凡そ鳴っていい音などではない。

「ど、どうにゃってるんだよ!?」

このとんでもない状況の転移にパックマンは思わず立ち上がりながら声を上げる。

「にゃんかどんどん酷くにゃってにゃい!?」
「まずいにゃ……」

猫耳と尻尾が生えて言葉の節々が猫語になるだけでなく猫そのものの特性も反映されるという話だったが思っていた以上に事態は深刻だ。自室待機だけで収まる話か否か思考するロックマンだったが。

「隊長どうしたんだよそれ!?」

なんて指差すパックマンの驚愕の声に訝しげにしていれば何やらとてつもない違和感。

「……にゃ」

恐る恐る自分の顔を触れて確かめたが刹那。

「にゃあぁああぁっ!?」
 
 
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