ねこねこパニック!?
「げほっげほっ!」
咳き込む声が視界を阻まれながら随所から。
「み、皆……大丈夫かい……、けほっ」
「元に戻ったのか……?」
「けほ……酷い目に遭ったわね……」
次第に取り巻く煙の濃度が薄まって、
「隊長、」
「リーダー!」
「はっえっダークシャドウ!?」
跡形もなく消えれば。
「大丈夫です、か」
何ということでしょう。
そこには状況を汲み取れず唖然とするスピカの腰の上に跨ったロックマンの姿が──
「これが浮気じゃないなら何なんですかリィィィダァァアッ!」
「あーあ……」
「やはりそういうことでしたか」
喚くダークウルフに続けて見るからに手遅れの状況に頭を抱えるダークフォックスと反して終始冷静のダークファルコは合点がいった様子で。
「一体何があったのか存じ上げませんが先程の猫の正体は慈善団体の皆さんだったようですね」
いやいや。
いやいやいやいや……!?
じゃあさっきの猫の正体って。
もしかして。……もしかしなくても。
「ふ、」
先程の可愛らしい猫の面影は何処へやら傍目に見れば情操教育上よろしくない体勢を想起させるとんでもない状況である点とあろうことかそれを共有する相手が敵であると認識するや否や冷たい視線を下すロックマンを前にスピカは真っ赤になりながら。
「ふざけるなぁああぁあっ!」
……その後。
理不尽な形でスピカ含むダークシャドウは追い立てられ事態は収束したかのように思われたが。
「あ」
会議中に転がり落ちるペンに反応を示す者多数。
「気を付けなさい」
「すまない」
「実験は大成功だな……」
「ドクター?」
「んん、……何でも?」
後遺症が各隊員を悩ませたのは。
「次は持続性の調整を」
「ドクター?」
……悪用厳禁の内緒の話。
end.
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