史上最凶のモテ期!?



こんな時に。

何を聞いてるんだろう。

「は?」

あまりにも自分が姑息で狡すぎる。

……こんなことを聞いたって。


自己満足にしかならないというのに──


「なに寝惚けたこと言ってやがる」


……ん?


「う、ウルフ」
「あ?」
「僕から変な匂いしない?」

ウルフは眉を寄せる。

「知るかよ」

あれ。

「俺様は鼻が詰まってンだ」

あっれぇええぇえええ!?

「そ、そうなんだ……」

春先の肌寒さにしてやられた末の風邪なのか春の代名詞たる花粉なのか分からないけどそういうこともあるよね!……なぁんだ。

「何だ」

ちょっと残念──じゃなくて! 相手は他でもない貴重な正常者なのだ。今度の事態の一刻も早い解決の為にも味方に付けて立ち回るべきだろう。

「嗅ぎゃぁいいのか?」
「い、いやっ! 嗅がない方がいいと……思う!」

ずいと目と鼻の先の距離まで顔を近付けるウルフに合わせるように仰け反る勢いで腰を引くルーティを目にウルフは眉を顰めて疑問符。

「それでテメェは何をそう急いでたんだ?」

本題。

「ええっと」

何から説明したものか。

「自分で言うのも変な話なんだけど、倉庫の掃除をしてたら変な液体を被っちゃったみたいで」

ウルフはようやく腕を離して解放する。

「そうしたら──例えるなら猫がマタタビの匂いを嗅いだみたいに皆おかしくなっちゃったというか」
「……成る程な」

取り合ってもらえないかと思いきやこの反応。

「大方マリオの奴が思い付きで作った薬の失敗作か何かなんだろうよ」

うーん! 理解が早い!

「それで浴室を目指してるってクチか?」
「な、なんで分かったの?」
「テメェは分かりやすいからな。水でも被って洗い流してやろうって魂胆だろ」

サクサクと見えない何かが突き刺さってくる。

「う、うん……」
「だったらやめとけ」


えっ?


「リンク曰く急にお湯が出なくなったとかで朝から業者を呼んで修理中なんだとよ」

……聞いてない。

「ちなみに。食堂も別の業者が水道の点検中だ」

聞いてないんだけどぉぉぉ!?
 
 
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