史上最凶のモテ期!?
酷く青ざめながら口をはくはくと動かすルーティにウルフは大方察したのか半目で追い討ち。
「一週間前にリンクが食堂で話してただろうが」
聞いていないのは自分です本当にありがとうございましたッ!
でもでもだってどうしてなんでこうも都合よくも悪くもタイミングが被るのかなぁ!? そういうものだと言ってしまえばそれまでかもしれないけどこればかりは自分の運の無さに嫌気が差しちゃうよ!
「で、でも、水……っ」
「便所の水でも被りゃいいだろ」
「人の心ないの!?」
「テメェが始めたことだろうが」
「あれは不慮の事故だよ!」
ああだこうだと騒いでいれば。
「見つけたーっ!」
それみたことか!
「あわわっ……!」
指差し現れたのはピチカだったがもちろんこうして駆け付けてきたのは彼女だけではない。すぐさまどたどたと忙しない足音が聞こえてきてルーティは反射的にウルフの後ろに飛び込むようにして隠れたがそうしたところでこの場を凌げるはずもなく。
「ウルフ! ルーティを渡すんだ!」
「あの馬鹿も匂いにあてられやがったのか」
目の色を変えて声を上げるフォックスを目にウルフは小さく舌打ち。フォックスの場合は正直言っていつも通りのような気がするけど深くは突っ込まないとして今度こそ万事休すか──ウルフの服の裾を自然な動作で強く握り締めるルーティだったが不意にその体を引き剥がされたと思うと。
「捕まってろ」
ひょいと。
お姫様抱っこをされて。
「ちょっとぉぉぉおおお!?」
そのまま──逃走。
「うるせえな静かにしてろ」
「逃げ切れる人数じゃないよ!?」
案の定後ろからは喧騒の音や声が祭囃子の如く。
「……逃げる?」
ウルフは鼻を鳴らして。
「この俺様が尻尾を巻いて逃げる、だと?」
「そ、そこまでは言ってないんだけど」
飛んでくる攻撃を飛んで跳ねて躱しながら。
「要は原因のそいつを洗い流せりゃいいんだろ」
ルーティはその意図を完全には汲み取れないまま振り落とされないようにしがみつき繰り返し頷いた。対するウルフはニヤリと笑って踏み込む。
「……捕まってな!」