キーメクスの審判
鶴の一声が──びりびりと。
「な、なんだよ」
狼狽えるスピカにダークウルフが詰め寄る。
「エックス邸を訪れた際に正義部隊と鉢合わせても事を荒立てないこと──俺たちに厳しく言い付けたのはリーダーの方ですよ!」
おや?
「ロックもロックだよ」
腰に手を当てて頬を膨らませ不満顔のルフレの横でマークは呆れたように。
「今朝の会議でダークシャドウに関して表面上だけで判断せず根本から見極めるよう対応を改めるって話したばかりじゃないか」
おやおやおやおや?
「や、それはっ」
「……そんな話もしたな」
これは。
もしかして。もしかしなくても。
歩み寄ろうとしてくれてる?
「ま、あいつは"こういう空気も"苦手だしな」
笑うフォックスにルーティは肩の力が抜けた。
「あれは嘘だったんですか!」
「そうじゃなくてだな、」
「ああ……リーダーだけは信じていたのに……」
「俺しょーじき見損なったかもぉ」
正面から距離を詰めてくるダークウルフ相手にたじろいでいれば悪い声が右から左から。
「隊長もさぁ……もう少し素直になったら?」
「さも人が我が儘を言っているみたいに」
「言ってるじゃん」
此方は自分は悪くないとでも言うように目を逸らすロックマンにパックマンによる正論ストレート。
「っ……」
……黙り込んでしまった。
「ああもうっ!」
かと思えばスピカは痺れを切らしたように。
「いいか!」
ロックマンを指差しながら。
「今の発言に確かに誤りはないが俺らとお前らは敵同士……それは変わらないんだからなっ!」
それを聞いたロックマンもぎこちない笑みで。
「はっ。そちらこそ。余計な情報の流出はあったが間に受けて過度な期待などしないことだ」
この人たちは。
「ふふっ」
ルーティは思わず吹き出す。
「な、なんだよ。ルー」
「ううん」
似た者同士だなぁなんてとても言えない。
「なんでもないよっ」