キーメクスの審判
志す正義の前に立ち塞がるのなら。
それが例え──身内でも。
「けけけけけ……」
不気味な笑い声に。
誰も気を取られて構えを緩めた。
「……ダーク?」
ルフレは恐る恐る訊ねる。
「……"闇には光を"……っスか」
留まることを知らない血溜まりを作りながら地面にうつ伏せに倒れ込んだ彼の表情には影が差し込んでいた。まるで浮かび上がっているかのように窺える口元には薄笑みを浮かべながらダークフォックスは再びあの不気味な笑い声を零す。
「……その言葉」
おもむろに持ち上げた瞳には──紅。
「そっくりそのまま……お返しするっスよ」
次の瞬間。
「、!」
ルフレと対峙していた面々は地面の揺れ基異変に気付いて足下に視線を落とす。そしてそれぞれ目を開いた。──足下には暗く深い宵闇が大きく円を描くように広がっていて。漆黒の中で幾つもの紅い目が開けば声にならない声というものが喉奥へ消える。この状況の変化にまずいと踏んで構え直すのも遅く地面から伸びた黒い影が各々の足に纏わり付いて。
「──光には闇を」
声が響く。
「常識、だよなぁ?」
一瞬の出来事だったのだ。
黒の閃光が迸り、稲妻の鉄槌が下されたのは。
「、はは」
唖然とするルフレを差し置いて。
「やっぱ」
ダークフォックスは緩く軽薄に嗤う。
「俺って愛されてるんスねぇ」
恍惚として投げかける。
「……リーダー?」