頑張れ番長!
「黒地に白レースかぁー」
「な、何てことしてくれるのよっ!」
「白地に花柄とか色気ねーなぁ?」
「ばかっ! えっち!」
スカートを押さえながらダークフォックスを睨み付ける、二人の女子生徒。
何処かで聞いたことのある声だ、とスピカは小首を傾げて顔を出す。ダークフォックスがからかっているこの女子二人は……
「おや。番長の」
「ピチカちゃん、と、リムって奴か?」
ダークファルコとダークウルフも順に頭をひょっこり。刹那、二人はスピカからこれまでにない殺気を感じ取り、硬直して。
「お、番長」
すっと静かに通りに出てきたスピカの体には、明らかに黒の稲妻が這っている。
もう一度女子二人を見つめて気付いたダークフォックス、「やっべ」と青ざめて逃げ出そうとするも手遅れで。
「歯ぁ食い縛れぇぇ!」
「ひぎゃああぁあああ!?」
……犠牲になったのは言うまでもなく。
ちなみに。
「あら、スピカ。変わらないのねぇ」
「……何がだよ?」
「身長」
気付いたリムのさりげない一言が、スピカの胸に深く突き刺さる。その場に四つん這いになるスピカを目に、ダークウルフは。
「まずは身長から頑張りましょう……」
end.
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