アルバムを作ろう!



エックス邸──中庭。

「くっ!」

既の所で剣を受け止める。ぎりぎりと押し合うロイが睨んだ先にいたのは亜空軍主将の創造神マスターハンド。禍々しい黒で象られた歪な剣は相手の持つ剣が如何なる伝説に語られる剣であろうとも構わず弾き返して。防御が崩れたが刹那別の剣が斬りかかるがロイの背後から飛び出したマルスがそれをすかさず受け止める。

「おやおや」

マスターは嘲るように笑う。

「大陸を救った英雄様とは名ばかりかな?」
「後ろがガラ空きだ!」

死角から振り下ろされるアイクの剣も。

「……!」

薄笑みひとつで主人は振り向くまでもなく三つ目の剣が妨げる。

「ガラ空きなのはどっちだか」

囁く声にぎくりと目を開いたが遅い。

「がッ!」

蹴り飛ばされるアイクを避難を命じられていたポポとナナは身を寄せ合って震えていた。

今すぐに駆けつけて木槌を振るうべきだろうがゆっくりともたげた破壊神クレイジーハンドの隻眼の赤に捉えられればもう動けない。その内足下には魔方陣が浮かび上がり口元に浮かべた笑みを深めて。不審な音が響く。

……音?

「あ。逆光」
「いやお前なにしてんの」

何が不審な音を立てているのかと思えば犯人はなんとレッドだった。手持ちのデジカメの映り具合を確認してもう一度シャッターを切る。

「今の技詠唱からお願いできるかな?」
「はぁ?」

呆れたように目を細めれば光が失せた。

「詠唱とかないんだけど」
「、クレイジー!」
 
 
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