アルバムを作ろう!



天使。

「ピチカちゃんはいい子っスねぇ」
「信者になりそうです……!」
「よし。俺が許す」

ほろほろと泣きながら手を合わせているダークウルフにスピカは深く頷く。

「もーなに言ってるの」
「ピチカちゃんが可愛いって話ですよ」
「こんな時に恥ずかしい話しないでよう!」


カシャッ。


「なぁんで仮面外さないのさ」
「貴様には関係ない話だ」
「そこまで浅い仲でもないでしょー?」
「お前たちは相変わらずだな」

躙り寄るカービィに。

「陛下! 傍観している場合では!」
「その程度退けられない騎士でもないだろう」

くっくっと笑うデデデに気を取られている内にメタナイトの視界は開かれ明るくなる。

「──カービィ!」
「いい写真は撮れたかしら」

レッドが一旦撮る手を止めて写真の一枚一枚を丁寧に確認をしていたその時だった。ひょいと後ろから覗き込むピーチにどきりとして。

「プライバシーの侵害だよ」
「あら。被写体を自然な姿で撮ろうと奮闘しているあなたのしていることは?」

それを言われてしまっては何も返せない。

「あるアルバムを見つけたんだ」

観念したように口を開く。

「写真の人たちは皆が笑顔で──多分カメラを構えたその人に向けられていたんだと思う」


ああ。──あの人だ。


「あの日みたいにとは言わないよ。それはどうやったって敵わないって分かってるし」

ピーチは目を細める。

「今もちゃんと笑えてるよ。なんて」

……そっか。

「伝わるわよ」

ぐっと腕を伸ばして想う。

「そういうところは敏感な人だから」
 
 
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