スマ学200のお題
9.勝負
「ふん。逃げたかと思ったぜ」
「まさか」
講堂。それぞれのクラスメイトを引き連れて睨み合うのはルーティとスピカ。
緊迫とした雰囲気に誰もが息を呑み、遠目には校長のマスターや教頭のクレイジーといった先生方も見守っている。
「分かってるだろうな」
「勝った方に命令権、だよね」
「ああ。男に二言はねえ」
スピカは頷いて。
そんな中でもこれがどれほど重要な勝負か知らず、ピットは隣のロイとこそこそ。
「これ、何の勝負?」
「まあ見てろって」
ロイは笑って、
「すっげえくだんねーから」
緊張感が漂う。
「……いいか?」
「今回、自信があるからね。いくよ!」
ルーティは大きく息を吸って。
「百五十三!」
「百五十一!」
遅れてスピカも声を張り上げる。
しかし次の瞬間、スピカはその場に両手両膝を付いて。がっくりと項垂れながら、
「また、負けた……っ」
実は今日、身体測定があったのだ。
どちらの身長が高いか。結果はルーティの勝利で。悔しがるスピカに、ルーティは、
「牛乳ちゃんと飲む! 命令だからねっ」
「くっそぉぉぉ!」
この学校の勝負なんてこんなもん。