スマ学200のお題
80.髪
「――失礼します」
此処は校長室。扉を叩いて入室してきたのはロックマンだった。
「頼まれていたプリントが出来ましたので確認の方お願いします」
「今度のクラスマッチのプログラム表だな」
厚みのある椅子に腰掛けていた校長マスターの元へ歩みを進め、差し出す。
「ほう。なかなか――」
「兄さん!」
その時である。
「髪が解けた!」
教頭クレイジーが飛び込んできたのは。
「生徒がいる前で慌ただしくするな」
「なに言ってんだよ緊急事態だよ!?」
「分かったから早くこっちに来い」
解けたとは……揉み上げを緩く結んであるあの紐のことか。ロックマンが見つめる側でクレイジーはマスターの傍へ。マスターはおもむろに自分の頭に触れて――
ぶちっ。
「気を付けろと言っただろう」
「別に沢山あるんだからいいだろ」
……髪の毛?
「プリントの方だが特に問題はない。各クラスに配っておいてくれ」
「分かりました。失礼します」
エス組教室。
「ごめんなさい兄さん、髪が解けてしまったの。結ってもらえる?」
「いいよ。そこに座って」
慣れた手つきでルフレの髪を結うマークを目にロックマンは。
「お前たち髪は大事にしろ」
「……え?」