スマ学200のお題


76.ロールキャベツ



草食系男子とは。

恋愛に関して固執せず慎重且つ受け身であり積極性に欠ける男子のことである。


「――草食系?」

パックマンは眉を寄せて返した。

「うちのクラスの男子が?」
「あんたがとは言ってないよ」

隣を歩くのはカービィである。

「当然。パックマンは肉食系だし」
「恋愛ベタの癖に」

すかさず手刀。

「いった」
「てか別に草食系じゃないよ」

カービィは打ち込まれた脳天を摩りながらむすっと、

「がり勉はヒョロいって相場が決まって」
「そっちに行ったぞ!」


この声は。


「任せて! モナドバスター!」

ふと見上げた教室のプレートにはエス組の文字。

「っ、抜けたでござる!」
「大丈夫。マーク、ぼくに合わせて!」

締め切った教室の中で穏やかじゃない騒音が否応なしに。

「何の騒ぎ?」

廊下で見守る女子組に聞いてみれば。

「ちょっと虫が出たのよ」


……虫?


「食らええええっ!」

硝子を突き破る音に肩が跳ねる。

「言っただろ。草食系じゃないって」
「女の子の為に体を張るって素敵ですよねぇ」

……人は見かけによらないと言うが。

「ロールキャベツ系かぁ」
「パックマン、お前みたいに直ぐ何々系って例える奴きらーい」
 
 
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