スマ学200のお題


73.子供



五月五日、端午の節句。誰が何と言おうと、今日はこどもの日。


「今日はショタの日だな!」
「こどもの日だよ」

ずいと詰め寄るリオンに冷めきった目の色でルーティが返す。

「ショタといえば太ももだな……」
「今日はこどもの日に因んで食堂で注文するとデザートに柏餅が付くんだって」

差し置いて、ルーティは振り向く。

「当然、ひとつにつき一個だよねぇ」
「何個食う気だよ」
「食堂で頼んで勝手に付いてくるってなら食べるしかないわよね!」
「ピーチったらダイエットはどうしたんですか?」
「なに言ってるの。残したら失礼じゃない」

口々に。

「そういえば」

ルーティはふと疑問を口にする。

「皆って何歳なの?」


レイアーゼ学園は生まれでクラスが分けられているわけではない。どういった基準かと聞かれれば説明が長くなるが要するに、全員が同い年という話でもないのだ。

とはいえ。ここでその話題は禁句。


「数えたこともないなぁ」

平然とした顔で言葉をこぼすのはピット。

「俺は今日で二十九回目のこどもの日を迎えた」
「せやったら自分は二十六回目や!」
「じゃあ僕は、二十八回目だね」

おいおい。

「それって子供じゃないんじゃ」
「――同級生だよねぇ?」

カービィはにっこり。

「同級生なのに年が違うわけないよねぇ?」
「そうだね。同じ子供だね」

誰が何と言おうと彼らは同年代の子供である。
 
 
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