スマ学200のお題
72.真実
誰の見た目が華奢だとか気弱そうだとか。本当にそうだったからといって、だから想像通りになるとも限らない。現実は決して甘くないのだ。
「よくよく考えたらさぁ」
食堂。カービィはカレーライスをスプーンに掬って口に運ぶ。
「ここの学校に通う生徒が一般人に後ろ取られるわけないんだよねぇ」
「戦術って授業もあるくらいだしな」
ロイは頬杖をついて同意。というのも彼ら、ある生徒に後ろから迫ってみたものの物の見事に返り討ちにされたのだ。現実を見ろといったところか。
「でもその理屈だとメタナイト先生はどうなるんだよ。いつもお前に不意突かれて顔真っ赤にしてんのに」
「それはまあ僕の方が一枚上手だから?」
「馬鹿言うな戦術の教師だぞ」
と、その傍を横切ったのはブラピである。いつもと何ら変わらぬつんとした冷たいオーラを纏い、食事を終えたのか出口の方へ歩いていく。
「どう?」
「いやいや」
ロイは手を振って拒否。……その時だった。
「ブラピ!」
普通に。ごく自然に。
「んなっ!」
その背後からピットが勢いづけて飛び込んで。
「酷いじゃないか! 一緒に食べようって言ったのに!」
「お前が勝手にした約束なんざ知るか。離れろ!」
「断固拒否!」
その様子を眺めていたカービィとロイ。
「……分かってて抵抗しない説」
良いも悪いも相手次第。