スマ学200のお題
69.卒業
春といえば。
桜舞う入学の季節。はたまた、花より団子か、無礼講か。
いやいや。出会いもあれば別れもある。
「そんなに泣くなって」
レイアーゼ学園でも最高学年の卒業式が行われていた。
すま組はいつ、卒業するのかって? そういうことを聞いちゃあいけない。
「っ、う……」
卒業式を終えた最高学年の生徒を迎えたのはルーティだった。同じ部活である先輩の彼に花束を渡す役を買って出たのだが涙がぼろぼろと止まらない。
「だって、僕、部活、下手なのに、先輩、教えてくれて」
しゃくり上げながら話すのだから眺めている側が釣られてしまいそうだ。
「試合見に行ってやるからな」
「は、い」
「学園祭にも顔出すから」
「はいっ……」
泣くな泣くなと笑って先輩の男はルーティを抱き寄せて頭を撫でる。
「行かないでくださいぃ……」
「無茶言うなよ、馬鹿だなあ」
一方。木の後ろから様子を見守る影が二つ。
「羨ましい」
フォックスはぽつり。
「俺も卒業したい」
「お前最低だな」
冗談抜きでルーティから卒業しろよと。ファルコは短く息を吐いた。