スマ学200のお題


62.やきもち



学生の楽しみといえば休日、そして放課後。下校の時間。

数少ない小遣いが失われる娯楽の時。


「ウルフ、歌わないの?」

なんで自分はこんなくだらない遊びに付き合わされてるんだか。

現在、ウルフはルーティからの誘いを受けて他にダークウルフとスピカを交えての絶賛カラオケ中。とはいえどうやら本人は乗り気でも無さそうだが。

「あっ」

曲の前奏が流れ始めるとルーティはマイクを手に取った。ウルフは足を組んで然程興味が無さそうにぱらぱらと歌本を捲っていたが。

「それ、デュエットだよな」
「うんそうだよ」
「もうひとつのパート歌ってやろうか?」

顔を上げた。

「あっじゃあお願いしようかな!」


息ぴったりのデュエット。


「悪い、Cパートが曖昧だった」
「ううん僕も苦手だから」

和気藹々。

「次はスピカ……」

マイクを渡そうとしてぎょっとした。

「ちょ、どうしたの!?」

オーラがどす黒い。

「べっつにぃ?」
「明らかに何かあったでしょ」
「うるせー触んな」

たまに分からないんだよな。ダークウルフは距離を取ってソファーに腰掛ける。

「……おい」

振り向く。

「さっきの曲は誰が歌ってるんだ」
 
 
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