スマ学200のお題


60.素質



「ちょ、待ってくれっ」

スピカは焦りの声を上げた。

「僕に任せるんじゃなかったの?」

接近するルーティにスピカは小さく肩を跳ねる。

「……ほら、ちゃんと開いて」


囁く声が耳に染み付く。


「ぁ、うあっ」
「ごめん、痛かった?」

首を横に振って返すスピカにルーティはふ、と笑う。

「一緒になりたいんでしょ。もう少し頑張ろ?」

ほんの少しの邪気を含んだ表情で、かくんと首を傾けた。

「ぅ……」

じわりと涙が滲んで。たまらずルーティは吹き出してしまう。

「なっなんで笑うんだよ!」
「ふふ、だってさ、泣かなくたっていいのに」
「泣いてない! 真面目にやれっ!」
「はいはい。頑張るのはスピカなんだから」

ルーティは楽しげに笑った。

「……入れるよ」


一方、外野。

「あれってさぁコンタクトレンズだよね」

ロイはこくりと頷いた。

「スピカの奴、ダー組と同じ赤目にしてみたいんだと」
「それでカラコン、ねえ」

ほんのり、桃色空気。

「……エロいよね」
「エロいよな」
「ルーティってそういう素質あるかもね」

雰囲気作りに定評のある期待の新星、ルーティ。
 
 
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