スマ学200のお題
56.遠慮
「おはよう!」
すま組の教室の戸を勢いよく開いて現れたのは、リオン。
「今日は八月二日、パンツの日……ということで」
周りの目も気にせず早足で、窓辺でドンキーと話していたが気付き既に呆れた顔であるユウの元へ。その間ぷちぷちと学ランのボタンを外し脱ぎ捨てつつ。
うっとりとした顔でその目の前に正座となり、期待の眼差し。
「全裸待機」
言い切るより早くユウの左足がリオンの顔面にめり込む。
「半永久的にくたばれ」
「うわぁ……」
――五日後。
「おはよう!」
またしても朝からすま組の教室の戸を勢いよく開き、リオン登場。
「今日は八月七日、バナナの日……ということで」
今度ばかりはその場に居合わせた男子全員が目を逸らした。しかし今度も変わらずまだ来たばかりで通学用鞄を手に席に着こうとしていたユウの元へ。
「私のバナナを」
刹那、ユウの瞳が金色に瞬けば飛んできた椅子がリオンの顎にクリーンヒット。
「ほんまあんたは遠慮っちゅーもんがないな」
「すればどうなるかを学んだからな」
「……へっ?」
振り向くドンキーに、ユウはさっと目を逸らした。