スマ学200のお題
53.上級者
すま組教室、昼休み。
「ね、ルーティは女子を見る時何処見ちゃう?」
なんと古典的な、それでいて思春期男子らしい発言だろう。珍しいと思ってしまうのは、うちの学校の連中が同性にばかり目がいってしまう傾向にあるからか。
それらしい原点に戻った、ともいえる。
「何処って……全体?」
「疑問系なのが怪しいですねえ」
カービィがにやりと笑うとルーティは慌てて、
「見ないってば!」
「動揺してますなぁ」
たちが悪い。机の下からひょっこりと顔を出して、ロイがからかう。
「僕はやっぱ脚かな。太ももから足首までのラインとバランス」
「そこは胸だろ。男なんだから」
なるほどよく分からん、とはこういう時に使うのだろう。
こうして語り合っている二人が、そこでリムと話しているピチカに視線を注ごうものなら危ない。もうすぐスピカが来る時間だ。蹴り飛ばされることだろう。
「ね、ユウはどう?」
そこへ通りかかったユウに話をふるが、本人は当然のことながら無視。
「……あ。ねえ、リオンはー?」
その後をついていく従順なペット君にも訊ねてみる。
「私か?」
「そっ。女子の何処に目がいく?」
するとリオンはきょとんとした様子であっさりと。
「下着だが」
……え?
「そっか。あいつ、心が読めるもんね」
「本気出しゃあ下着も服に透けて見えるってことか」
感心する二人を前にルーティ、苦笑い。