スマ学200のお題
45.禁止令
学校のプリントの中には月毎に配られる“学園だより”なるものがあって、それも学校によって個性があるから面白い。内容としては基本的に、その月の行事やお知らせ、先生方によるくだらない世間話などが書いてあるものなのだが……
「……ん?」
ここはすま組の教室。今しがたプリントが配られたところである。
「うえー、バレンタインってチョコレート禁止なの?」
「というか校長の欄、『リア充禁止』ってなんだよ」
「教頭の欄なんて『リア充ざまあw』だぞ」
個性たっぷりの学園だより。今月は二月ということもあって、真っ先にメジャーなイベントであろうバレンタインが封印された。全く、うちの校長と教頭は平気で生徒の楽しみを踏み躙るから困る……ま、どうせ女子は持ってくるのだろうが。
「異議あり!」
と、突然机を平手で叩いて立ち上がったのはリオンである。
「……なんだ」
「確かに、二月の行事としてバレンタインが注目されるのは分かります……でも」
リオンは勢いよく指差しながら、
「だからといって節分を野放しにしていいんですか!」
ざわざわ。某裁判を思わせる展開である。
「チョコレートプレイが出来るバレンタインを真っ先に封じたのは賢明な判断……だがそれだけに甘い! 先生は鬼のコスプレを見たことがありますか!」
ガノンドロフはただ黙っていて。
「あれはそういう服だからとこの季節にも関わらず平気で二の腕や太ももを露出できる、けしからん兵器です! 加えてあの行事、恵方巻きなるものがある!」
ぐっと拳を握るリオン。
「男子を登校させていいんですか……!」
そこかよ!
「……検討しよう」
「先生ー!?」
――後日。
「ガノンドロフ先生、この恵方巻き禁止ってのはなんですか?」