スマ学200のお題


43.欠席



この時期は最も空気が乾燥しやすく、故に人の目では見えない様々なウイルスが空気中に隠れている。それはつまり、病気に感染しやすいということ。

あのすま組も、今日ばかりは多数の欠席者が出ていた。


「出席を取らせてもらう」

教室に入ってきたガノンドロフは教壇の前に立つと、出席簿を開きつつ生徒たちに目を走らせた。ざっと見渡しただけでもがらんとしている。静かなわけだ。

「ルーティ」
「おにぃはインフルにかかってお休みでーす」

ぱっと手を上げたのはピチカ。そういう彼女も言った直後に小さくくしゃみをするのだから、予備軍な気がしてならない。ガノンドロフは出席簿を眺める。

「フォックスとファルコも揃って欠席か」
「あー、でも前者はサボりに近いかも」

ロイは机の上に頬杖を付いて。

「ルーティがインフルで倒れたショックで鬱になってるだけだから」

おい。

貴様はルーティ無しでは生きられないのか。……冗談のつもりで突っ込んでみたが本気でその通りなんじゃないか。とりあえず精神病院にでも行け。

「カービィ」
「暴飲暴食による腹痛」
「ネロ」
「恋の病」

どういうことだ。

自業自得としか突っ込みようがないぞ。腹痛はもう仕方ないとして、恋の病で欠席ってなんだ。聞いたことがない。午後からでも構わんから学校に来い。

「情けない連中共め……、リオンはどうした」
「ああ、あいつか」

ユウは読書をしながら。

「発情期なので遅刻するそうだ」
「来るなと伝えろ」

――欠席の基準が分からない。
 
 
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