スマ学200のお題


42.滅亡



皆さんは経験がお有りだろうか。

――世界の滅亡。かつて繁栄していた優秀な民族が書き残したとされる予言書に始まり、超能力者による未来予知、科学的分析による結果論など報告は様々。


しかし、大抵は世界を沸かせる為のデマである。


「フレイアムが……滅亡?」

ここ、ダー組の教室でもちょうどそんな噂が流行っていた。

「そうそう。テレビとかでも話題になってるっしょ」
「今月の二十一日、いやもっと早かったか?」

ダークフォックスとダークリンクが口々に話すのを見て、聞かされている本人のスピカはぽかんとしていた。口振りから嘘だとは見抜けなかったのだ。

「だから番長、思い残すことがないように――」

気付いた時にはスピカはその場を離れていた。向かった先には次の授業の為に黒板消しで、黒板に書かれていた前の授業の内容を消しているダークウルフ。

「っ、……え。番長?」

それも急に後ろから抱きつかれたので、ダークウルフは振り返って。

「どうしたんです?」
「今まで、……その。酷くして、悪かった」


えっ?


「お前のことは嫌いじゃなかったし……ほ、本当は、俺っ……」

ああ、心臓の音が聞こえる。背中に押しつけられた顔の熱が伝わる。黙って耳を傾けていたいが、限界。ダークウルフは黒板消しで黒板を叩き、悶えながら。

「やめてください、番長……本気で滅びてしまいます」
「……、」

嘘だと気付いたスピカが教室ごと焼き払ったのは言うまでもなく。

「リア充こそ滅亡しろよなー」
「うるさい!」
 
 
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