スマ学200のお題


40.視線



「おっはよーう!」

意気揚々と教室に入ってきたローナを見て、誰もが驚いた。

「ろ、ローナ……下、服っ……!」

ディディーが指摘したのはその服装。

一見すると“穿いてない”ように見えるのだが、ローナは短パンを穿いてきていたのである。それに加えてニーソ、上はぶかぶかの学ランで色は黒一色。

「おーう、穿いているともさ!」
「うわあっ!?」

彼女に女の子らしさを求めてはいけない。こうやって素肌が露出するのも構わず、恥ずかしげもなく学ランを捲り上げ、下は穿いているぞと証明してくるのだからたまらないのだ。……決していやらしい意味とかではなく。

目のやり場に困るのである。特に、男性陣は。

「あら。朝から何を赤くなっているのかしら」

お前が犯人か!

くすくすと現れたのは彼女の姉、シフォン。その後ろでネロが溜め息。

「い、妹に変な格好をさせるな!」
「校則には違反していないのだから問題はないはずよ」
「だからっ」
「へえー、二人はこういうのが好きなんだぁー」

それまでローナの服装に狼狽えていたディディーとトゥーンが恐る恐る振り返ると、そこには大本命、ピチカの姿が。……って、

「ちげえよっ!」

声を揃える二人にびくっと肩を跳ねさせ、ピチカは疑問符。

「ずっと見てたのに?」
「だからそれはっ」
「服装が……だから別にそういう」


――自分に注がれる視線には気付かない癖に。


「男はほんま苦労する生き物やんなぁ」
 
 
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